⑭とまりぎ(不思議なセミ)

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最近思ったことや過去に不思議に思ったこと経験したこと聞いたこと等を何でも書いていきます。

今回は、筆者が体験したセミにまつわる話です。

子供の頃からセミが大好きで、夏休みによく近所で蝉取りをしてました。オスは鳴くのでうるさいですが、羽の透き通ったミンミンゼミやツクツクボウシ、ヒグラシが好きでした。

新潟県と群馬県の県境に三国峠というのが、ありましてスキー場で有名な苗場スキー場の東京から見てちょうど手前の17号線にあります。

三国峠は、甲斐の武田信玄や越後の上杉謙信が戦のために往来したという峠です。東京から苗場スキー場の手前のトンネルを出たところに三国峠の旧道がありまして、その峠道の途中に確か権現神水という湧き水が、あります。その湧き水をよく汲みに行った時の話です。

いつもは、権現神水の水を汲んだらすぐに帰るのですが、今日は山の頂上まで行ってみようと思い、その旧道を山頂まで登ってみました。山頂付近につくと標識がありました。(何と書いてあったのか忘れましたが標高が書かれていたと思います)

その日は、もう正午に近かったですが、天気が悪く、今にも雨の降りそうな曇りでしたが、その頂上からは眼下に綺麗な雲海が広がっていました。景色は、ほとんど見えず雲海が遠くまで広がっていました。

その標識の傍らで休んでから、帰ろうと思い、ふとその標識の根本を見るとセミの幼虫が土の穴から這い出てきました。

しばらくするともう一匹、セミが違う穴から這い出てきました 2匹になったのです。すると先に這い出てきたセミがその標識の上で脱皮を始めました。もう暫くすると今度は後の幼虫も脱皮をはじめました。

多分、穴を這い出てから30分も経っていないと思いますが、セミが間近で脱皮するのを初めてみました。

そして、帰ろうとした時にその二匹のセミが同時に飛び立ったのです。

そして、眼下に広がる雲海の上をどんどんと飛んでいきます。二匹が平行に一直線に雲海の上をどんどん同じ方向に飛んで行きました。最後には雲海で見えなくなるほど遠くに二匹のセミが同じ方向に飛んで行ったのです。

これを見たとき何か神秘的な気持ちになりました。ひょっとするとあのセミは、何かの使いではないのかという思いがしました。脱皮してすぐのセミがあんなに遠くに飛んでいけるのか。なぜ二匹が同時に同じ方向に飛んで行ったのか。非常に不思議な体験でした。今もあの時の光景は、忘れることができません。

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